2019年12月8日日曜日

対馬学フォーラム2019に参加しました。

 対馬学フォーラム2019が厳原町の対馬市交流センターで開催され,『日本では対馬でしか見られないハナナズナは「国内野生絶滅」か?―対馬に自生する希少植物種の現状2019―』と題して発表しました。タイトルにあるように,ハナナズナ(絶滅危惧IA類)の野生個体が確認できなくなったことを報告しました。2014年から観察を続けていますが,年々個体数は減少し,とうとう見られなくなってしまいました。去年の秋に開花した個体は種子をつけていたので,実生が出現する可能性はありますが,それが定着するかどうかは現地の状況から疑問です。

対馬学フォーラム2019の様子




2019年10月30日水曜日

対馬調査(2019年2回目)

 今年もあっという間に秋になってしまいました。シカ柵のメンテンナスをするために対馬に来ました。今回は神崎半島,龍良山,白獄でシカ柵のチェックと希少植物の現状の調査です。神崎半島では土砂崩れなどにより壊れてしまったシカ柵があったのでそれらを撤去しました。龍良山ではヒメマンネングサの生育範囲が年々縮小しているような気がします。また,ツシマノダケも年々個体数が減少しているようです。シカは相変わらず林の中を走り回っています。白獄ではツシマノダケの新しい集団を見つけることができ,開花個体(種子)も複数個体ありました。ムラサキカラマツの個体数はかなり減ってしまっているようです。シマトウヒレンは10個体も見つけられませんでした(開花は1個体)。ハナナズナは年々個体数が減少し,確認できている野生個体はほぼ消滅しました。詳細は来月の対馬学フォーラムでポスター報告します。

神崎半島林内

神崎半島林内

神崎半島から見た星岩

神崎灯台

神崎半島林内,所々に実生が出ている。

龍良山麓

龍良山山頂付近

龍良山山頂から見た浅藻,左奥に神崎半島

ツシマノダケ,小さいが種子をつけた

厳原にできた新博物館,まだオープンしていない

白獄山頂付近のシカ柵

チョウセンノギク 


白獄のツシマノダケ,中央に開花(種子)個体,右と左にも花茎が見える

2019年5月26日日曜日

対馬調査(2019年1回目)

 今年になってから最初の対馬です。アレチアザミの生育状況を確認しに北部の集落まで来ました。すでに花はなく(開花期はGW後ぐらい),また,畑地雑草としてよく抜かれるのですが,10株程度確認できました。チョウセンカラスウリは数株しか確認できませんが,今年も生存が確認できました。それと,絶滅危惧ⅠA類のハナナズナは去年は2株確認しましたが,両株とも開花個体だったのでその後枯れてしまいました。今回はすぐ脇に1株が生育しているのを確認しました。実生は確認できませんでした。

アレチアザミ(中央のトゲトゲの葉,3株ほど)

チョウセンカラスウリ(花はこれから)

ハナナズナ

去年開花し枯死したハナナズナ

鴨居瀬(沖島)の林内の様子


2018年12月10日月曜日

対馬学フォーラム2018に参加しました。

対馬市交流センターで開かれた対馬学フォーラム2018(12月9日)に参加して,対馬の希少植物の分布と現状についてポスター発表をしました。本フォーラムでは対馬の動植物のほか,歴史や文化,地域づくりといった対馬が持つ魅力と課題について発表が行われ,様々な情報を共有することができました。




2018年12月2日日曜日

第24回自然保護助成基金助成成果発表会に参加しました。

東京で公益財団法人自然保護助成基金プロ・ナトゥーラ・ファンド助成の成果発表会が開かれ『対馬下島における固有・希少植物種の分布調査と現状について』と題して発表してきました。発表要旨はPro NaturaニュースNo.28に掲載されています。

これから発表会が始まります。